遂にやってしまった……(^_^;)

阪急で GO!

〜石橋編〜
(New:1998/7/21 Update:1998/7/22)

Written by ビーバー西山(好物は照焼きビーフバーガー(^_^;))

主題歌(^_^;)


その日、ビーバーは山科から地下鉄・阪急を乗り継ぎ乗り継ぎ、「聖地」に向かっていた。
JR で京都、いや大阪まで行けば、もっと早く着くのかもしれないが、そこはクリムゾナーの端くれ。 お金…いや、「面倒で時間がかかっても楽しい」、乗り継ぎまくる道を選んだ(って、単に鉄道が好きなだけなのだが)。

それは、先週の事であった。

「デスクリムゾン」愛好家(以下クリムゾナー)にとって、中心的 Web サイトである、伊月さんのホームページにて、彼は週末に東京から「聖地巡礼」を行うと発表した。 そして彼は、共に参るクリムゾナーを募った。
東京での集会はさすがに遠すぎて躊躇していたビーバーだったが、わざわざ関西に来られるとのことなので、「せっかくだから」参加する事にした。

ゲーマーの間では、自分の好きなゲーム会社を見に行く事を「聖地巡礼」というらしい。 ここでは「聖地」とはもちろん、デスクリムゾンの生みの親、エコールソフトウェアである。


京都から大阪に向かう阪急特急の中で、持ってきた「超クソゲー」(太田出版)のデスクリムゾンのところをもう一度読む。 この本には、デスクリムゾンのレビューや、エコールから送られた FAXなどが紹介されており、クリムゾナーの間では非常に注目を浴びている。
刻一刻と近づく聖地そしてクリムゾナーとの出会い。 初めて MSX のイベントに参加したときと同じような感覚。 今回の巡礼にはどんな出会いとドラマが待っているのだろう。 いつも伝言板でしゃべってる、彼らの素顔はどんなだろう。 期待と不安で胸がふくらんだ。
阪急自慢の特急電車であったが、新幹線との並走区間で、新幹線にあっさり抜かれ、格の差を見せつけられる。

十三(じゅうそう)で宝塚線に乗り換える。 「聖地」の最寄りの駅は、宝塚線の石橋駅だ。 目指す駅はもちろんそこだ。
次の電車は急行だという。 石橋には急行も止まるのかと電動掲示板を見ると、いみじくも停車駅となっている。 さすがは聖地最寄りの駅だ。 「参拝客」が多いのだろう(んなわけねーだろぉ!! by ガイン)。

1日のうち気温が最も高くなる頃、石橋駅に到着。 ビーバーの心も、気温に負けず高くなっていた。
改札をくぐり、日のあたる所で立ち止まった。 そして、両手を広げ、心の中で叫んだ。

「俺は来た、石橋へ!」

駅を出て、聖地に続く道を歩く。 このあたりは商店街になっているらしく、店や、通りをゆく人々が、聖地らしい雰囲気をかもし出していた(^_^;)。

まずは腹ごしらえ。 事前に、このあたりにマクドがあるという情報をキャッチしていたので、ここ聖地の近くで飯を食う事に決めていたのだ。
それと思しきマクドを見つけて入る。 マクドの新製品、レタペパのセットを頼む。 マクドの新製品は、ビーバー的にはイマイチなものが多くて、普段は照焼きビーフバーガーを頼む事が多かったのだが、今回の新製品「レタペパ」はかなりうまかった。 もちろん、聖地の近くで食うマクドだから、なおさらうまかったのは言うまでもない。

マクドを出て、さらに聖地に向かって歩く。
しばらく行くと、王将天下一品を見つける。 早まったと少し後悔する。

まだ約束の時間まで余裕があるので、この近くにあるというゲーセン「ガンマ」を探す。
聖地に向かう途中の道で見つける。 ただ、入り口が地味なので、もうすこしで見逃すところであった。
階段を上って店に入ると、中は割と広くてびっくりする。 さらにゲームのラインナップにもびっくりする。 ZERO 3、2012などの最新作はもちろんの事、サンダークロス II(今見ると結構地味な画面)、サンダーブラスター(連射付きでボンバー出し放題)、プリルラ(初めて見た。サターン版が欲しくなった)、ガンフロンティア(なるほど、確かにバトルガレッガそっくり、しかもガレッガと同じ筐体に入ってた)、ティンクルスタースプライツ、ガンフォース、ソルダム、果てはソンソン悪魔城ドラキュラまで! ……噂には聞いていたが、これは凄い。 聖地から保護条例が出ているのだろうか(出てへん出てへん(^_^;)/)。


ハッピーなひとときをすごした後、再び聖地に向かう。
約束の時間の10分前、遂に聖地の前に到着。 立ち止まり、聖地 -- エコールソフトウェア -- の入っているビル「アゼリアタワー」を見上げる。 太陽の反射と、聖地が発する御威光が眩しい。
ふと看板を見上げると、5階と6階のところに「株式会社エコールソフトウェア」の文字が刻まれている。 以前、Mat さんらが訪れたときには白紙だったそうなので、かなり衝撃を受ける(^_^;)。
アゼリアワーの前を少し歩いてみる。 他のクリムゾナーはまだ来ていないようだ。 気の小さなビーバーは、アゼリアタワー隣のレコード屋の前まで戻る事にした。

レコード屋の前まで来たとき、数人のグループがやってきた。 もしかしてクリムゾナー? よく見ると、そのうちの一人は、軍服のようなズボンをはいている。 ビーバーは確信した。 「あのー、コンバット老人さんでしょうか?」 「あ、はい」 「あの、はじめまして。 西山と申します」
かくして、聖地の前に、伊月さん、コンバット老人さん、Mat さんら、そうそうたるクリムゾナーの面々が集まった。


聖地巡礼の前に、みんなでクソゲー関連の話題で盛り上がる。

ある者は、「ドリームジェネレーション」のバッグを持ってきた。 バッグに描かれている女の子達の絵は、色鮮やかでかわいいなぁ。 でも、何か妙に足が長すぎるなと思うのはビーバーだけかなぁ(^_^;)。

またある者は、バーチャガンとその互換品を持ってきた。 互換品の方がクリムゾンらしいと好評であった(マニュアルの裏表紙のクリムゾンにそっくり!)。

誰かが携帯用ジェネシス(そんなのあったのね(^_^;))(メガドラアダプター付き)で、「ソードオブソダン」「ピットファイター」をセット、みんなにまわしプレイさせてくれた。
ソードオブソダンは、「たけし、ソダン、デス様」と言われるほどの超クソゲーの一つ。 噂はかねがね聞いていたが、思わぬ出会いに感激! さらに、小鳥のさえずり(のみ)の BGM や数ドット抜きで動くプレイヤー、満足に向きを変える事のできない操作性に感激の2乗!!(^_^;)
ピットファイターの方も、リフトで持ち上げられるプレイヤーや、「残虐行為手当」などのセリフがとってもイカしていた(^_^;)。

ビーバーからは、サターン版「バトルガレッガ」を見せた。 マニュアルの問題のページを開き、ガインの「せっかくだから」発言や、キングクリムゾンなどを確認した。 「Now loading」の文字フォントがデス様のそれにそっくりなことは、かなり有名な事のようだった。


突然、タイプライターの音が聞こえてくる。 伊月さんの方を見ると、ノートパソコンでデスクリムゾンのオープニングムービーをやっていた。 ゲーム CD から抜き取ったものだそうだ。 例のセリフが聞こえると一同爆笑。

続いては「センチメンタルグラフィティ」のオープニングムービー。
真っ黒な背景に少女達が貧血のごとく次々に倒れていく。 そんなシーンがかなり長時間続いた(「まだかよ」という声も出ていた)後、今度はやはり真っ黒な背景を、金魚鉢の金魚を横から見るのごとく、上下に泳ぎ回る少女の姿……。 ラストはたくさんの制服(謎)……。
いやぁ、「暗黒太極拳」、「デス様クラスのオープニング」の言葉に偽りはなかったですね(^_^;)。


ひとしきりだべった後、いよいよ聖地へ。
伊月さんによると、この日はエコールは休みで、社員はいないらしい。
階段組とエレベータ組に別れて聖地を目指す。 ビーバーはエレベータ組に加わった。

エレベータに入り、どの階に行くか検討する。 エコールの受け付けは6階。 いきなり6階はまずいだろうという事で、まずは5階に行こうとするも、5階を押しても何も起こらない。 仕方なく6階を押すと、ドアが閉まって上昇を始めた。 2……3……4……。 聖地が少しずつ近づいてくる。 もしドアが開いたら、そこにいきなり関係者が立っていたらどうしようとか、不安にもなった。

6階の扉が開くと、すぐ正面にエコールの入口があった。 エレベータと入口の間には、数畳分の空間がある。 入口の扉はおしゃれな木製で、こちらの様子は見えないようだ。 入口の横には電話機(社内との連絡用か)の置かれた机があり、そして壁にはドリームジェネレーションのポスターが貼られている。 空間の横には階段に通じる扉もある。
エレベータからそっと顔を出し、慎重に空間の様子を伺う。 とりあえず、誰もいないようだ。 階段組もまだ来ていないようだ。
ほっとしたのもつかの間、コンバット老人さん(たしか)がつぶやいた。

「ちょ、ちょっと、あれ見てみ?」

そこで我々が見たものは、我々の想像をはるかに上回る、実に衝撃的なものであった……。

……入口の横の机に、そのメッセージの書かれた紙があった。 メッセージの全文は、他の方のページ(デスクリムゾンリンク集の聖地巡礼ルポとか)で取り上げられているはずだから、あえてここには書かないが、要約すれば、デスクリ2の署名(伊月さんのページで集めている署名の事と思われる)はここに置いてね、デス2は企画中デスポスターと T シャツはプレゼント、というものであった。 しかもメッセージの主は社長! そして、机の下には確かに、デスクリポスター & T シャツの入ったダンボール箱があった。
ビーバーは一瞬言葉を失った。 全てを見すかされたような、衝撃的なメッセージだった。

「上から来るぞ、気を付けろ!」
僕達は血相を変えて階段を降り、階段組を呼んだ。 階段組も大急ぎでやってきて、そのメッセージを見て唖然となる。
「まじかよ……」
「凄ぇ……」
「行動読まれてるぜ(^_^;)」
「感動!!」
「どえらい聖地巡礼になったなぁ」
皆、驚きと困惑と感動の表情でいっぱいだった。 そして、我々はひとまず、社長の好意を素直に受け止め、プレゼントはありがたく頂いた。 ただもらうだけでは申し訳ないので、みんなで寄せ書きもした。 お土産のお菓子を置いていく者もいた。

皆、それぞれの思いを秘め、閉じるエレベータの扉から、ドリームジェネレーションのポスターに別れを告げた。


外で再びたべった後、やはりアゼリアタワー地下1階にある飲み屋に入る。 聖地の真下で、しかもあんな衝撃的なイベントの後のビールは、何とも言えない味であった。
「やっぱり、商業誌(超クソゲー)に載ったことが影響大きかったと思うよ」
「見直したぜ社長!」
「もう死んでもいい!」
「一生ついていきます!」
と、感激の声が上げる中、
「これって、僕達に対する皮肉とか諌めとか怒りとかじゃないかと思うのは勘ぐり過ぎかなぁ」
と、何だか済まない気持ちになっているビーバー。
また変なこと言っちゃったかなと後悔しかけたところに、今回も伊月さんが「それも考え得るんだけどなぁ、実際のところはどうなんだろうなぁ?」みたいな答えを返し、助け船を出してくれた m(_ _;)m。

しかし、その後、エコール社でドリームジェネレーションのグラフィックを担当された ASAP さんが到着、それ(社長のメッセージ)は素直にとらえてよいとのことで、一同一安心。

社長、デスクリ T シャツ、ありがとうございます。 家宝に致します! どこに着ていこうかなぁ。 せっかくだから、これ着て「新聖地」友ヶ島散歩とかもいいなぁ、ふふ。


飲み会終了。
アゼリアタワーの前で明日のことなどを話し合う。 横からクルマがやってきて、通行の邪魔になると思ったビーバーは思わず、
「クルマが来るぞ、気をつけろ!」
と叫んでしまい(実話)、爆笑される(^_^;)。 その後、もう一台クルマが来たが、これが赤(帽)のクルマだったのでややうけ。

本当はもっと一緒にいたかったが、こちらも明日の用事などがあるため、ここで別れる。 みんなありがとう。楽しかったよ。 そしてエコールの皆さん、ありがとう。 デス2開発、頑張って下さい。

大きな衝撃と感動、そしてクリムゾナーとの出会いを胸に、ビーバーは夜の商店街を後にした。

(おわり)


デスクリムゾン駅コンコース 芸夢駅 西山駅(Top)
※以下、わくわくリストのつぶやき(^_^;)。

それにしても、クリムゾナーのバイタリティにはただただ感動するなぁ。 セガ BBS では、ほとんど毎日、何らかのデスネタが出てるし。 伊月さんところのデスクリムゾン2制作署名も、もうすぐ300名に達するんだなぁ(1998/7/21 現在)。

そういえば、「わくわく7」開発リーダーはまだサンソフトに残ってるみたいだったなぁ(植田さん:「アストラスーパースターズ」のスタッフロールに名前が記されていました)。 ここはやはり、「わくわく2」を作って欲しいな。 でも、デスクリムゾンみたいに、わくわく2制作署名やっても、300人も集まるかなぁ(^_^;)。 わくわく2やりたい人はメールちょうだい、とか言ってみたりして(^_^;)。